組織概要

理事長挨拶

写真:理事長 内藤 尚志

地方公共団体金融機構は、地方公共団体に対して長期かつ低利の資金を融通することを主たる任務として、全地方公共団体の出資の下、法律に基づき設立された地方共同法人です。

初めに、令和6年能登半島地震及び令和6年9月能登半島豪雨で被災された全ての方々に心よりお見舞い申し上げます。当機構としても、復旧・復興に向けて、被災地方公共団体の資金調達に支障が生じないよう、政府と連携して適切に支援してまいります。

令和5年度は、長引くロシアの軍事侵攻、中東情勢の緊迫化からエネルギー・原材料価格の高騰が継続し、欧米を中心とする物価高と金融引締めから、世界経済は大幅な減速が見込まれましたが、総じて底堅く推移しました。日本でも、30年ぶりの高水準の賃上げ等、経済の前向きな動きが見られた他、令和6年3月の日銀の金融政策決定会合において17年ぶりの利上げにあたるマイナス金利の解除が決定され、金融政策は新たな段階に入ってまいりました。

令和6年度においては、欧州の6月の4年9ヶ月ぶりの利下げ決定、9月の追加利下げ決定に続き、米国でも9月に4年半ぶりに利下げが決定され、欧米の金融引締め局面が転機を迎えました。一方、日本では7月に追加利上げが決定されるなど、国内長期金利が上昇局面を迎えていることを含め、国内外ともに政府・金融当局の政策の舵取りをよく注視していく必要があります。当機構としても、こうした状況に十分留意しながら、各種事業の実施に柔軟かつ適切に対応し、安定した事業継続を図ってまいります。

貸付業務については、新設された「こども・子育て支援事業債」や、貸付額が増加する「緊急防災・減災事業債」、「脱炭素化推進事業債」など、各種事業について、地方公共団体の資金需要に対応した貸付けを行います。

資金調達においては、新たに国内グリーンボンドを発行するなど、多様な資金調達手段を活用して安定的な調達を実現していきます。
また、地方支援業務においては、総務省との共同事業である「経営・財務マネジメント強化事業」の支援分野に新たに「地方公共団体のGX」を追加するなど、一層の充実を図ってまいります。

このほか、当機構の公庫債権金利変動準備金について、地方交付税の総額確保のため2,000億円を国に帰属させることとなりました。森林環境譲与税増額分300億円と合わせ総額2,300億円を国に帰属させる予定です。

当機構は、サステナビリティへの取組を強化・推進しています。「金融で地方財政を支え 地域の未来を拓く」という使命のもと、貸付け・資金調達・地方支援全ての事業活動においてESGの観点を意識し、地域社会の持続的な発展に貢献してまいります。

地方共同法人として今後も着実に、金融情勢の変化に対応した安定的な資金調達で地方公共団体の資金需要に的確に応えること、地方支援業務を一層きめ細かに充実させることを通し、地方公共団体の健全な財政運営、そして持続可能な地域社会の実現への貢献を積み重ねてまいりますので、関係各位の御協力・御支援を宜しくお願い申し上げます。

地方公共団体金融機構

理事長 内藤 尚志