理事長挨拶
地方公共団体金融機構は、法律に基づき、地方公共団体の資金需要に的確に応え、長期かつ低利の資金を融通することを主たる任務として、全ての地方公共団体の出資により設立された地方共同の資金調達機関です。強固な財務基盤の下で、貸付け・資金調達・地方支援の3つの業務を通じて、地方公共団体の健全な財政運営や住民福祉の増進、地域社会の持続的な発展に寄与することを目指しています。
最近の機構を取り巻く金融市場環境についてみると、中東情勢などの地政学的な緊張に加え、インフレ動向、各国中央銀行の金融政策を背景に世界経済情勢が大きく動き、金利や為替の動向など先行きの不透明な状況にあります。当機構としては、このような環境の中でも、求められる役割を引き続き的確に果たし、地方公共団体のニーズに応えてまいります。
まず、貸付けについては、2025年度末時点の貸付残高は22.5兆円となっております。2026年度は、物価高の中での適切な価格転嫁や、上下水道の老朽化対策をはじめとする社会資本整備の推進に対応するため、地方債計画において機構資金が増額計上されました。これを踏まえ、地方公共団体にとって優先度が高い事業や住民生活に密着した事業等に対して、長期・低利の資金を融通し、その資金需要に的確に対応してまいります。
こうした貸付けの資金の調達のために、主に金融市場で地方金融機構債券を発行しており、2025年度末時点の債券等発行残高は18.8兆円となっております。これまで市場からの確固たる信認を得、投資家の需要を的確に捉えるよう努め、その結果、2019年8月より地方債と同水準での債券発行を継続してきました。2026年度は、中長期的な資金調達額の平準化や投資家の運用年限短期化のニーズを捉え、2年債を初めて当初の資金調達計画に位置づけ4月の発行に取組んだところです。今後も金融市場環境の変化に弾力的かつ機動的に対応し、安定的な資金調達を実現してまいります。
また、地方支援については、地方公共団体の財政運営における良き相談相手となることを目指し、「調査研究」、「人材育成・実務支援」及び「情報発信」の三本柱を有機的に連携させながら各種事業を実施しています。2025年度、経営・財務マネジメント強化事業では、地方公共団体に寄り添い前年度の約1.5倍となる5,203回、各支援分野専門のアドバイザーの派遣を行ったところです。引き続き、地方公共団体の財政の健全性の確保・向上に貢献してまいります。
現在、地方公共団体は人口減少や物価高などの問題に直面しています。このような中でも、引き続き住民生活に密接に関連した行政サービス等を支障なく行うことが必要です。機構としては「金融で地方財政を支え 地域の未来を拓く」のスローガンを実現すべく、安定的な資金調達で地方公共団体の資金需要に的確に応え、地方公共団体の健全な財政運営と持続可能な地域社会の実現へ貢献するよう、役職員一同、業務の遂行に全力を尽くしてまいりますので、関係各位の御協力・御支援をよろしくお願い申し上げます。
地方公共団体金融機構 理事長
令和8年6月 内藤 尚志



